<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第151回 失われた40年(3)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
そして、神戸
私事で大変恐縮だが、筆者が卒業した大学は神戸の六甲山の麓にあった。神戸は、東西 約30km、南北約8kmの山と海に挟まれた細長い帯のような街である。最高地点の標高が931.3mの六甲山系と瀬戸内海に挟まれた市街地の南北幅はわずか2km~4kmに過ぎないという。このような神戸市の地形的特徴には便利な部分もあった。それは、道に迷わないということである。正面に山が見えれば北に向かっていることになり、正面に海が見えれば南に、山が左に見えれば東に、山が右に見えれば西に、それぞれ向かっていることになる。当時は今のようにGPSなどはなかったので、運転免許初心者だった私に対して、神戸の街はとても優しかった。
もちろん建物に隠れて山や海が見えないことはあった。特に歩いている時は山や海が見える場所に出るまで時間がかかることもある。でも、そんな時は傾斜を確かめれば良い。例えば私が卒業した大学の正門地点での標高は161m。そこから港までの距離は直線で約2km。神戸の市街地は、全体として南に向かって標高を下げる構造に置かれている。一旦キャンパスを出ると、だらだらとした傾斜が港までずっと続いている。なの...
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