IFRSをめぐる動向 第173回 「キャッシュ・フロー計算書および関連事項」プロジェクトの最近の動向(2025年5月から12月までのIASB会議での審議)

PwC Japan有限責任監査法人 公認会計士 高野 泰彦

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Ⅰ.はじめに

本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議等における討議内容に基づき、IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。今回は、「キャッシュ・フロー計算書および関連事項」プロジェクト(以下、「本プロジェクト」という)について、2025年5月から12月におけるIASB会議における審議内容を中心に説明します。

本プロジェクトの2024年9月での審議については、本連載の第167回(No.3688)の解説をご参照ください。

なお、本稿の内容は今後のIASBの審議状況によって変更される可能性があり、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りします。

Ⅱ.直近のIASB会議の状況

1.プロジェクトの背景

IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」については、第3次アジェンダ協議より前から、キャッシュ・フローを営業、投資または財務の各区分に分類する要件や非資金取引に関する情報などについての基準修正の必要性について、利害関係者から意見がありました。2021年から2022年に行われた第3次アジェンダ協議において、投資家からキャッシュ・フロー計算書の情報のさらなる分...