オルツ ー資本市場のあだ花ー(後編)
公認会計士 坂井 俊介
( 16頁)
【目次】
| 掲載号 | |
| 1.事件の全体像 | 前号 No.3740 |
| 2.会社の概要 | |
| 3.循環取引の兆候を示す財務数値 | |
| 4.監査法人の交代 | |
| 5.循環取引の存続条件 | |
| 6.事件の本質 | 本号 |
| 7.プロフェッショナルズ |
6.事件の本質
調査報告書では、原因分析として次の事項が挙げられている。
①売上拡大および上場への強い志向
②経営トップの誠実性の欠如
③内部統制・ガバナンスの機能不全
④会社の不適切な説明・対応
⑤最先端事業に対するバイアス
⑥その他(監査法人シドーが前任監査人から循環取引の疑義を伝えられていたにもかかわらず、無限定適正の意見を表明したこと)
経営者の誠実性の欠如が当然ながら事件の出発点である。しかし、売上高および広告宣伝費等の大半が「実態のない」ものだったという事実を隠しとおせた点が、事件の核心であり、今後どうすべきかの課題である。
VC等の株主や主幹事証券会社はアントレプレナーの新規上場を支援する立場である一方で、上場により利益を得る側面もある。スタートアップ企業として、華々しい受賞歴があり、著名な教授を顧問に迎えるなど、社会的信用度は高く、会社からの肯定的な説明を信じたいという心理的バイアスがあったものと思われる。
7.プロ...
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