<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第153回 失われた40年(5)

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

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仰げば尊し

卒業式のシーズンになると、袴姿の若い女性を見かける。昔の女学生はこんなだったのかと思いを馳せるのだが、女学生の袴姿の歴史は比較的浅く短いそうだ。袴はもともと男性学生が着用していた。活動性の観点から、一部の女子学校で女性も袴を着用するようになったが、洋装化が進むに連れて、見られなくなったらしい。

また、卒業式で女性が袴を着る習慣は、もっと新しい。そういえば筆者が大学を卒業した頃(1981年頃)では、卒業式に袴を着ていた女性は皆無に近かった。あるテレビ番組の取材によると、女子大生が卒業式に袴を着用するようになったのは、1987年に公開された映画「はいからさんが通る」の影響が大きいのだそうだ。そういえば、90年代から急に卒業式シーズンに女子学生の袴姿を見かけるようになったような気がする。

ところで、最近では他の様々な曲が歌われるようであるが、一昔前までは、卒業式の歌といえば「仰げば尊し」というのが定番であった。ただ歌詞の中にある「我が師の恩」とか、「身を立て、名をあげ」といったフレーズが、古く偏った価値観を押し付けているとして、敬遠されるようになったとも言われている。個人的には、それの...