会計知識録 第42回 在庫評価益は計上しても良いのか?
~企業の会計・財務活動を解読~
公認会計士 溝口 聖規
( 33頁)
ENEOSホールディングス株式会社(以下、ENEOS)が2025年8月8日発表した2025年4~6月期の連結決算(国際財務報告基準(IFRS))は、最終損益が145億円の赤字(前年同期は816億円の黒字)でした。原油安や為替の円高を背景に、備蓄する原油の「在庫評価損益」が848億円のマイナスとなったのが響いたことなどが理由とのことです。
在庫評価益のマイナスとは、どういう意味なのでしょうか?今回は、棚卸資産の評価方法と石油元売り業界における在庫評価益について、説明したいと思います。
棚卸資産の評価に関する会計ルール
財務諸表の資産や負債は、原則として購入した時点の金額で計上されています。会計ルールでは、これを取得原価主義と言います。
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「棚卸資産の評価方法
6-2.棚卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算して取得原価とし、次の評価方法の中から選択した方法を適用して売上原価等の払出原価と期末棚卸資産の価額を算定するものとする。」( 企業会計基準第9号 「棚卸資産の評価に関する会計基準」 ) |
例えば、ある資産を100万円で購入したとします。この場合、当該資産は貸借対照表...
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