新・経理実務最前線!Q&A 監査の現場から 第36回 M&Aにより発生するのれんに関する会計上の論点

EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 渡邊裕介

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近年、日本企業は、事業ポートフォリオの再構築や成長戦略の中核として、企業規模を問わずM&Aを活発に行っています。

M&Aの手法として、相手会社の株式を取得することによる企業結合も多く用いられています。この取得による企業結合においては、取引によっては多額ののれんが発生する場合もあり、のれんの当初認識、償却期間、取得後の評価等の財務諸表への影響が大きい会計論点が存在します。

本稿においては、取得による企業結合に関する会計論点のうち、のれんに関する論点について、日本基準を前提に解説します。本稿における「取得」は、会計基準に定める「取得」を指し、ある企業が他の企業又は企業を構成する事業に対する支配を獲得することをいいます(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」 第9項 )。

なお、本稿中の意見にわたる部分は筆者の個人的な見解であり、EY新日本有限責任監査法人の公式見解ではないことを予め申し上げます。

Q1

取得による企業結合時ののれんの算定方法について教えてください。

A1

まず、のれんとは、取得原価としての支払対価総額と、被取得企業から受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額との間に差額が生...