会計基準の長い日々 第31回 2004年 概念フレームワークの洋々たる船出(その1)~作成への期待高まる

 公認会計士 西川 郁生

( 39頁)

概念フレームワークへの関係者の期待

2001年11月の第1回テーマ協議会が挙げた29の提言テーマの中で、「基本概念の整理」は、中長期扱いのテーマのうち、優先度1と位置付けられていた。基本概念を整理して、会計基準設定主体が文書化するものが「概念フレームワーク(以下、概念FWという)」である。

概念FWは、会計基準の憲法と呼ばれる。だが、その位置付けは憲法とは明確に違う。憲法は法律の頂点に立つ最高法規であるが、概念FWは会計基準であるかどうかもはっきりしない 。概念FWを作成する会計基準設定主体が、どう位置付けるかによって決まる。憲法違反の法律は効力を有しないと解されるが、概念FWは、その規定に反する個別の会計基準を退ける力はない。

日本の市場関係者からは、米国基準やIFRS同様、「日本でも概念FWを作成してほしい」との期待が高まっていた。彼らは「IFRSが時価会計や包括利益に向けて走りだしている」と危惧していた。純利益を排除するという業績報告での議論がそういう懸念を生み出していた。そのような中で、説得力のある概念FWができれば、ASBJがIASBに対して、会計基準形成の局面で戦うときに、有効な...