M&Aの経理実務を時系列で理解する 第9回 暫定処理に係る企業結合注記について

‐会計処理・決算対応の要点‐

株式会社Stand by C 公認会計士 高橋 伸弥

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1.はじめに

第7回(No.3748) では「資本連結」、 第8回(No.3752) では「連結キャッシュ・フロー計算書及びセグメント情報の暫定処理」について解説してきた。これらを通じて、Purchase Price Allocation(以下、「PPA」という。)前の主要な連結財務数値は一通り整理されたことになる。

もっとも、M&A後の経理実務は会計数値を作成して終わりではなく、投資家等に対する情報提供も重要となる。企業結合の実態を適切に理解するためには、会計数値に加えて、その背景や前提条件に関する情報も不可欠である。特に、PPAが未了である場合には、のれんの金額が暫定値となることから、将来的に無形資産の計上やのれんの償却費等が変動する可能性について、投資家等へ適切に伝達する必要がある。

M&Aに関する情報は、適時開示、プレスリリース、決算説明資料など、さまざまな形で外部に提供されるが、その中でも企業結合に関する注記は、企業結合の概要や財務的影響、のれんが暫定値である旨等を説明する重要な開示であり、M&A後の連結決算実務の集大成とも言える。

本稿では、暫定期間における企業結合注記を中心に、その記載...