取適法施行で実務はどのように変わったのか?経理担当者が気を付けるべき基本的対応と注意点

PwCリスクアドバイザリー合同会社 ディレクター 公認会計士 満行 毅
PwC弁護士法人 弁護士 井手 瑠美
PwC弁護士法人 弁護士 池田 侑希

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1.はじめに

2025年5月16日、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」といいます。)の改正法として、「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律」(以下改正法による下請法の改正を「本改正」といいます。)が成立し、2026年1月1日より、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(以下「取適法」といいます。)が施行されました。

これに伴い、2025年10月1日、公正取引委員会は、従来の「下請代金支払等防止法に関する運用基準」を改定し、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」(以下「新運用基準」といいます。)等を公表しました。

今般実施された一連の改正の目的は、我が国における長年の課題であった「構造的な価格転嫁」の実現に向け、事業者間の対等な関係を推進して中小企業の取引の適正化を図ることにあり、かかる目的を実現するために多項目にわたる改正がなされました。

これらの改正項目の中には、経理部門の業務に少なからず影響を及ぼすものも含まれており、経理担当者においても、今般の改正事項の正確な理解...