「資本コストや株価を意識した経営」に関する要請のアップデート

東京証券取引所 上場部企画グループ 課長 門田 耕一郎

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1.はじめに

東京証券取引所(以下、「東証」という。)は2023年3月、「資本コストや株価を意識した経営」の実現に向けた対応を、プライム市場およびスタンダード市場の全上場会社に要請した。要請開始から3年が経過し、多くの上場会社において開示の進展が見られるなど、資本コストや資本収益性、市場評価といった観点を意識した経営の取組みは着実に広がりつつある。一方で、開示の内容や取組みの実質については企業間でばらつきが見られるほか、特に「経営資源の配分」に関して投資家の期待との間にギャップがあるとの指摘もあるなど、本取組みはなお発展途上にあるといえる。

こうした状況を踏まえ、東証では2026年4月、これまでの要請を「アップデート」する形で、投資家の視点を踏まえた重点事項を改めて整理し、公表した。本アップデートは、開示の有無が注目される段階から、成長戦略や資本配分の中身の質が問われる状況に移りつつある中で、企業における実効的な取組みを加速し、投資家からの支持・信頼を獲得していくために有効と考えられる対応を整理したものである。

本稿では、まずこれまでの取組みの経緯と現状を振り返ったうえで、今回の要請アップデ...