Q&Aコーナー 気になる論点(416) IASBによる規制資産・負債(1)-会計基準の必要性-

早稲田大学 名誉教授 秋葉 賢一

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 国際会計基準審議会(IASB)は、2026年5月27日に、IFRS第20号「規制資産及び規制負債」を公表しました。IFRS第20号は、なぜ必要なのでしょうか。

IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」及びその他のIFRSだけでは、企業が規制対象の財・サービスを提供した期間と異なる期間に顧客に規制料金を課すというタイミングの差異が生じ、不完全な損益情報しか提供されないため、IFRS第20号では、これを補完するために必要になるとしています。

<解説>

会計基準の必要性

IFRS第20号は、これまで暫定的な基準として公表されていたIFRS第14号「規制繰延勘定」を置き換えるものです

IFRS第20号では、特定のタイプの料金規制を受ける企業は、IFRS第15号やその他のIFRSを適用して提供される情報だけでは不十分であり(BC3項)、それは、その損益計算書が不完全な情報しか提供せず(BC8項)、したがって、財務諸表利用者は、企業の将来キャッシュフロー(CF)の見通しに与える影響を理解することが難しくなるとしています(BC9項)。

具体的には、[図表1]で定義する「規制上の合意」によって、企...