役員の報酬・賞与・慰労金の基本と実務Q&A<232> 会計限定監査役の任務懈怠と慰労金

 弁護士 小林公明

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当社のいわゆる会計限定監査役が、計算書類に表示された情報が会計帳簿の内容に合致していること(例えば貸借対照表の科目「現金及び預金」の金額が預金出納帳等の金額と合致していること)だけを確認して「計算書類及びその附属明細書は、会社の財産及び損益の状況を全ての重要な点において適正に表示しているものと認めます」との監査報告をしていたことが判明したが、そのような監査は当社内規(役員退職慰労金規程)に定める監査役の慰労金の減額又は不支給事由たる任務懈怠に当たり得るか。

1 結論

そのような監査は監査役の任務懈怠に当たり得る。

2 慰労金制度の現状

上場企業の慰労金制度採用社数は以下のとおり正に絶滅危惧の現況にある。

2025年6月に株主総会を開催した東証プライム市場上場会社においては、打切り支給ではなく、今後も支給を継続する会社が12社あり、全体の1,119社中の約1.1%であった。

(澁谷展由「招集通知における役員報酬関連記載の分析(1)〔議案の記載の分析〕―2025年6月総会:東証プライム市場上場会社1,119社を対象にして―」資商499号58頁)

これに対し、非上場企業では二つのメリット、すなわち、①...