少数株主保護に関する上場制度の見直し

東京証券取引所上場部企画グループ 課長 山脇 菜摘美

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一.はじめに

上場子会社やオーナー企業においては、親会社や支配株主 であるオーナーが自己の利益のためにその影響力を行使し、少数株主の利益を損なうおそれ(構造的な利益相反リスク)が存在する。株式会社東京証券取引所(以下「東証」という)では、こうした構造を踏まえ、かねてより少数株主保護に関する上場制度の整備を段階的に進めてきた。

資本市場の公正性に対する信頼を醸成し、少数株主を含む投資者が安心して参加するための環境を整備する観点から、少数株主保護は不変のテーマである。

一方で、国内外の投資家からは、依然として、上場子会社やオーナー企業の経営陣において、少数株主を意識した経営が行われていないのではないか、また、本来は少数株主の代弁者として、少数株主保護に関して中心的な役割を果たすべき独立社外取締役が十分に機能していないのではないかとの指摘が寄せられていた。

こうした状況を受けて、東証では、「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」における議論も踏まえ、2026年7月に、取締役選任議案に対する少数株主の賛成割合等の開示の義務化や独立性基準の見直し等の上場制度の見直しを行った。

本稿では...