M&Aの経理実務を時系列で理解する 第11回 無形資産の識別と測定
株式会社Stand by C 藤井 祥子
1.総論
第10回(No.3760)では、買収後のPPA(Purchase Price Allocation)において経理担当者が把握しておくべき関係者とスケジュール・必要資料について解説した。第11回では、モデルケースを使いながら、具体的なPPAの識別・測定プロセスについて解説する。実際の無形資産の識別・測定は外部の評価会社が行う作業であるが、経理担当者としても全体像を把握しておくことは有用であると考えるため、評価会社がどのような検討過程を経て識別・測定をしていくかを解説する。
その前に、PPAにおける無形資産評価の2つのステップについて確認しよう。
Step① 識別:無形資産として識別可能な資産を特定
まず、識別のプロセスである。識別とは、無形資産として計上されるべき資産を特定することである。ではどういったものを無形資産として識別すべきだろうか?それらを検討する際に、指針となる識別要件を日本基準とIFRSでそれぞれ下記に掲載する。日本基準とIFRSで識別要件に違いはあるものの、日本基準もIFRSも、「法律や契約で保護されたものであるかどうか」、または「分離して譲渡可能かどうか」が、実質的な...
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