~オルツ事案の裁判状況も踏まえた~開示書類の虚偽記載に対する刑事罰の状況

島田法律事務所 弁護士 沖田 美恵子

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Ⅰ.はじめに

近時、世間を騒がす会計不正の発覚が相次いでおり、会計不正の件数自体も増加傾向が顕著であることは以前に本誌でも紹介した( 本誌2026年2月9日、No.3739・16頁 掲載の拙著「『もしも』に備える~会計不正発生から発覚後までの実務対応~」参照)。

上場会社において会計不正があった場合、金融商品取引法(以下「金商法」という)の虚偽記載に該当すると判断され、当該会社は同法に基づく課徴金や、上場している取引所からの違約金徴収というペナルティを受けることがある。それだけでなく、金商法上、故意の開示書類の虚偽記載 は犯罪として規定されており、法人に対しては高額の罰金刑が定められているし、個人に対しても拘禁刑・罰金刑が定められている。

近時の例でいうと、証券取引等監視委員会(以下「SESC」という)が令和7年10月28日に告発した株式会社オルツにおける会計不正事案(有価証券届出書及び有価証券報告書の虚偽記載)について、令和8年5月25日、法人としてのオルツに対して罰金3億円が、告発・起訴された個人4名のうち、執行役員兼営業部門長及び経理部門長(肩書はいずれも犯行当時)に対してそれぞれ懲役3年...