Q&Aコーナー 気になる論点(419) FASBによる環境クレジット(1)-当初認識・測定-

早稲田大学 名誉教授 秋葉 賢一

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 米国財務会計基準審議会(FASB)が2026年5月19日に公表した会計基準更新書(ASU)第2026‐02号「環境クレジット及び環境クレジット義務(トピック818)」では、環境クレジット義務の決済のために、規制当局から無償で付与された環境クレジットを、公正価値で当初測定することとしているのでしょうか。

ASU第2026‐02号では、規制当局から付与された環境クレジットを資産として認識する場合、取引コストで当初測定し、それを環境クレジット義務の決済に使用する負債も環境クレジットの帳簿価額で測定することとしています。このため、取引コストが発生しない場合、当該環境クレジット及び環境クレジット義務の当初測定額はゼロとなります。

<解説>

ASU第2026‐02号(1)‐公表の背景

FASBが2021年6月に公表した「コメント募集‐アジェンダ協議」への回答者は、多くの企業において、規制遵守プログラムにより環境クレジットで決済可能な義務が生じていること、さらに、排出量削減を自主的にコミットする企業も環境クレジットを利用しているものの、明確なガイダンスがないため、実務上のバラつきが生じているとしていま...