コーポレートガバナンス・コード改訂の解説

前金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 新谷 亜紀子
前金融庁 企画市場局 企業開示課 専門官 福田 輝人
金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 小堀 英晴
前金融庁 企画市場局 企業開示課 係長 見上 竜

( 16頁)

Ⅰ はじめに

2026年7月21日、コーポレートガバナンス・コードの改訂版(以下「改訂版コード」という)が公表された。コーポレートガバナンス・コード(以下「コード」という)の改訂は、2021年に続いて3度目となる。

コードは、企業におけるリスクの回避・抑制や不祥事の防止といった「守りのガバナンス」だけではなく、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることに主眼を置いており、会社の迅速・果断な意思決定を促すことを通じて企業の「稼ぐ力」の向上に向けた、いわば「攻めのガバナンス」の実現を目指すものである。このような考え方の重要性は、2015年のコード適用開始から十余年が経った現在でも損なわれておらず、むしろその重要性は増している。また、我が国のコーポレートガバナンス改革には一定の進捗が見られる一方、形式的な対応にとどまることなく、企業と投資家の双方の取組みにおけるコーポレートガバナンス改革の実質化が重要との指摘も踏まえ、2025年10月より、金融庁・東京証券取引所を共同事務局とする「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」(令和7年度)(座長:翁百合 株式会社日本総合研...