役員の報酬・賞与・慰労金の基本と実務Q&A<233> 法定されたカスハラにどう対応すべきか(1)

 弁護士 小林公明

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いくつかの支店からカスタマーハラスメントに関する質問が寄せられ、取締役としてその対応を誤ると慰労金内規の減額不支給条項に該当するおそれがあるとのことなので、最近の法改正とその内容及びそれに対する取締役のあるべき対応につき説明願いたい。

1 結論

質問の法改正は令和7年6月4日に可決成立し、同年6月11日に公布されその施行は原則として令和8年10月1日であり、その経緯と内容及びそれに対する取締役のあるべき対応は以下に説明するとおりである。

なお、取締役としての対応を誤ると、質問にあるように取締役が慰労金を失うばかりか、取締役又は会社が損害賠償請求されるリスクがある。

2 カスハラの法定

(1)カスハラの現状

前にカスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)への対応を怠った取締役の慰労金に関する質問を取り上げた(小林公明「取締役のカスハラ対応」(本誌 367736783686 号本Q&A225・226・227))。

本質問はその後の2(2)以下に述べるような経緯を踏まえたものと思われる。

カスハラの横行については厚生労働省の検討会において以下のような事例が報告される現状である。

常軌を逸したカスハラ(加害...