「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」の解説―暗号資産に係る規制の見直し―
金融庁 企画市場局 市場課 課長補佐 亀田 孝太郎
金融庁 企画市場局 市場課 課長補佐 竹岡 直紘
前金融庁 企画市場局 市場課 課長補佐 冨永 三友紀
金融庁 企画市場局 市場課 課長補佐 平原 将人
Ⅰ はじめに
従来、暗号資産は、決済手段の観点から資金決済に関する法律(以下、「資金決済法」という)で規制されてきたものの、足下では投資対象化の進展が見られる。
例えば、金融庁で実施したアンケート調査(2024年7月5日公表)では、投資経験者の暗号資産保有率は7.3%と、FX取引や社債などよりも高い状況となっている ① 。また、業界団体のアンケート調査では、暗号資産の取引動機について、約87%が長期的な値上がりを期待していると回答しており、送金利用目的は10%程度にとどまっている状況である ② 。
加えて、国内の機関投資家でも、暗号資産への投資意欲が高まっているとの調査結果もある ③ 。
国内の暗号資産交換業者(今般の法改正(後述)により「暗号資産取引業者」(以下、「取引業者」という)に名称変更)での口座開設数は延べ1,400万口座を超え ④ 、暗号資産の保有者の約7割が年収700万円未満の所得層 ⑤ であり、その預かり資産も約80%は10万円未満 ⑥ となっているなど、個人の利用者において暗号資産の保有が身近になっている。
こうした中で、暗号資産を巡る主な喫緊の課題として以下のような点が挙げられる。まず、無登録業者に...
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