注目が集まるダイナミックプライシング【マネジメント倶楽部・会計から考える経営の真実】

このコラムは『マネジメント倶楽部』2019年2月号に掲載されました。

ダイナミックプライシングとは
 ダイナミックプライシングとは、モノやサービスの価格を需要と供給の状況に応じて変動させる仕組みをいいますが、最近ではAIの分析を取り入れて適正価格を算出する手法が注目を集めています。宿泊料金、航空運賃、ライブやスポーツ観戦のチケットなどで活用されており、テーマパークのチケットなどにも広がりを見せています。

適正な価格設定とは
なぜこの手法が活用されるようになったのでしょうか。人気のあるチケットは、多少高い価格でも購入しますが、そうでないものは価格を下げなければ売れ残ります。需要に応じて価格に差をつけることで、売上を向上させることができます。関連するビッグデータを集めて、AIを駆使してそれを分析し、精度の高い需要予測を行い、適正な価格を算出することにより、結果として売上の最大化につながります。

ヤフーと福岡ソフトバンクホークスは、AIとビッグデータ(その席の過去の販売実績だけでなく、天候、ホークスの順位、相手チーム、曜日等のデータ)を駆使して、野球場の席を列ごとに評定し、異なる価格を設定することにより、価格の最適化に取り組みました。

売れ残り、在庫リスクの減少効果
宿泊料金や航空運賃については、AIが普及する以前より季節により価格に差をつけることが行われてきました。それは、同じ価格で年中販売したのでは、ハイシーズンはすぐに売り切れ、オフシーズンは売れ残ることなり、トータルでみた売上が増えないからです。価格に差をつけることにより、年中通してコンスタントに売れる効果が生じます。価格に差をつけるのは、売れ残り、不良在庫を発生させないためのものです。

さらに、AIとビッグデータを活用することにより、リアルタイムで価格を変動させることができるようになります。需要予測をリアルタイムで的確に行えれば、売れ残り、不良在庫を最小化することが期待できます。また、データの蓄積により、AIの精度は上がっていきます。

今後、ダイナミックプライシングがますます活用されていくことが予想されます。


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