2020/06/05 9:00
このコラムは『マネジメント倶楽部』2020年6月号に掲載されました。
「自分を成長させて強くなる体験が、第二の人生をつくる」
-工藤 公康 氏(福岡ソフトバンクホークス監督)
監督就任後の2017年から19年まで日本シリーズ3連覇を達成した原点には、長く野球を続けるためのデータを駆使した選手の科学的育成がある。自身は選手として14度のリーグ優勝、11度の日本一を経験し、48歳まで現役を続けたが「私自身は現役を29年やらせてもらったわけですが、その中で仲間が辞めていくのは寂しかったですし、自分でも後悔だらけの野球人生でした」と振り返る。
肩を故障し、医師に「もう投げられない」と告げられ、諦めざるを得なかった思いを選手にさせたくない。だからこそ「選手にデータやトレーニングに関する正しい知識を与えて、若いうちからしっかりと科学的根拠に基づいた指導をしていければ、もっと成長してもっと長く現役をやれる選手も増える」と語る。
また、工藤氏はしっかりと育成し、チームが勝つことが選手の第二の人生も花開かせると信じる。「現役を終えても、まだ人生半分じゃないですか。残りの半分をどう生きるかと考えたときに、強いチームにいた人、それも自分を成長させて強くなる体験を持っている、勝ち方を知っている人というのは、監督やコーチとしてのセカンドキャリアが開ける。今の選手の将来をつくることにもつながるのです」
組織のため、あるいは短期的利益のために育成するのではない。本人の人生も踏まえた長期的視点での人材育成の原点を示唆している。
※参考文献『プレジデント』(2019年2月18日号)
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