2025/12/04 11:10
自民・国民民主の税調会長が会談 基礎控除等引上げを要望
自民党の小野寺五典税制調査会長と国民民主党の古川元久税制調査会長は12月3日、令和8年度税制改正について会談を実施。国民民主党が自民党に対して、令和8年度税制改正に関する要望を行った。
国民民主党は、103万円の壁対策として、所得税の基礎控除等を178万円に引き上げることを最重点項目としている。また、投資減税の関係では、投資額以上(2倍程度)の償却を認める「ハイパー償却税制」の導入を要望した。
少額減価償却資産特例の拡充等
研究開発税制について、研究開発などに関する投資税制の優遇措置の適用基準に賃上げへの取組状況を勘案することを求めた。賃上げ税制に関しては、赤字でも賃上げした企業への固定資産税、男女間賃金格差是正に取り組む企業等の減免措置を求めている。
また、少額減価償却資産特例の拡充等を要望した(取得価額30万円、年間300万円の引上げ)。IT機器やソフトウェア等を対象にした、取得価額や年間上限額を上限なく即時償却することを認める「IT導入枠」の創設も要望するほか、3年間で均等償却できる資産(年間20万円未満)の要件緩和を求めている。
また、事業承継税制の特例措置の恒久化や特例承継計画の提出期限の最大限延長などを挙げた。
食事手当や通勤手当等の非課税枠の拡充等
暗号資産に関しては、税率20%の申告分離課税の対象として、損失繰越控除(3年間)を適用し、暗号資産同士の交換時は非課税とすることなどを要望している。
また、単身赴任手当や帰宅旅費の非課税化、通勤手当の所得税非課税枠引上げ、通学定期の負担軽減等を挙げた。従業員への食事手当に対する非課税上限の引上げも要望した。NISA等の非課税制度の拡充のほか、超富裕層への課税適正化として、金融所得課税の強化も求めている。
消費税関係では、消費税5%、インボイス制度は令和8年9月末までの2割特例や8割控除を延長した上で廃止し、外国人観光客の消費税減免措置の凍結を要望した。
国民民主党の令和8年度税制改正の最重点項目
103万円の壁対策
・所得税の基礎控除等を178万円に引き上げ
投資減税
・投資額以上(2倍程度)の償却を認める「ハイパー償却税制」の導入、加速償却や即時償却の活用などにより、成長分野(AI、量子、ロボティクス、核融合、半導体、蓄電池、自動運転、宇宙、防衛、造船、創薬、Web3、ソフトウェア開発等)の国内投資拡大