2025/12/05 17:15
自民党税調 マル政で法人課税等を議論
自民党税制調査会(小野寺五典会長)は12月5日、小委員会を開き、法人課税関係などの政治的判断を要するマル政項目について議論した。
新たな設備投資税制の制度設計、研究開発税制や賃上げ促進税制の見直し、防衛特別所得税(仮称)の付加などの検討が行われた。
新たな設備投資税制の制度設計を検討
即時償却等の大胆な設備投資税制の制度設計については、既存の税制では対象とならないような大規模かつ新規性の高い投資を短期間で重点的に促す方向性が示された。新たな設備投資税制の適用を受ける場合には、投資計画期間内は既存の設備投資税制等の適用を認めない等、企業にも一貫した重点投資を求めることも議論されている。また、賃上げの促進等の要件を制度に組み込むことや、特定の税額控除の不適用措置について、要件の強化及び不適用の対象措置の拡充の検討が行われた。
研究開発税制では、戦略技術領域型の創設について、適切な控除率の水準等を検討するとともに、当該領域に対する試験研究の計画や結果を確認できる仕組み等や、当該領域に係る試験研究の海外委託費の取扱いなどが議論された。
防衛特別所得税(仮称)が浮上
賃上げ促進税制については、本税制を通じて大企業の賃上げをさらに後押しすることが中小企業の経営等に与える影響等も踏まえて、廃止も含めた制度のあり方が議論された。 教育訓練費に係る上乗せ措置についても、会計検査院の指摘を踏まえた措置のあり方の検討が行われた。
また、租税特別措置の適用実態調査に関して、適用企業名を公表する場合には、対象となる措置や企業の範囲、公表のタイミング等について、国・企業双方の事務負担に配慮することが検討された。
防衛力強化に係る財源確保については、復興特別所得税の税率を1%引き下げるとともに課税期間を延⻑するが、その延⻑期間は、復興事業の着実な実施に影響を与えないよう復興財源の総額を確実に確保するために必要な⻑さにするとし、新たな付加税として防衛特別所得税(仮称)の議論がされた。
〈マル政②で議論された項目〉
⑴ 防衛力強化に係る財源確保
⑵ 法人課税①(法人税改革の振り返り・国内設備投資の促進)
⑶ 法人課税②(租税特別措置の見直し)
⑷ 自動車関係諸税及び国際観光旅客税