自民税調 令和8年度税制改正の具体案明らかに【令和8年度税制改正動向ニュース ~与党税調の議論の行方~】

自民税調 令和8年度税制改正の具体案明らかに

自民党税制調査会(小野寺五典会長)は12月11日、小委員会を開き、「マル政等処理案」について議論した。法人課税では、大胆な設備投資促進税制の創設、研究開発税制や賃上げ促進税制の見直しなど具体案が明らかになった。個人所得課税では、住宅ローン控除やNISAの拡充案などが示された。

大胆な設備投資促進税制 機械装置等は7%税額控除に

法人課税では、大胆な設備投資促進税制の創設案が示された。全ての業種を対象とし、一定の計画に基づき取得した機械装置等の設備等に7%の税額控除又は即時償却を認めるとしている。研究開発税制では、「戦略技術領域型」の創設等が示され、賃上げ促進税制では、大企業向けの措置を廃止するとした。

住宅ローン控除は既存住宅の拡充を検討

個人所得課税では、基礎控除等の引上げについて議論。物価に連動した引上げルール案として、源泉徴収義務者等の事務負担に配慮し2年ごとの見直しとする。高所得者に対する負担の適正化の見直し案では、特別控除額を現行の3.3億円から1.65億円に引き下げるとともに、税率を現行の22.5%から30%に引き上げるとしている。

住宅ローン控除の見直しでは、既存住宅に係る借入限度額を拡充するほか、40㎡の特例の対象範囲を既存住宅にも拡充する。

NISAのつみたて投資枠の拡充案として、対象年齢0~17歳までは年間投資枠60万円・非課税保有限度額600万円。教育資金一括贈与に贈与税非課税措置については、適用期限(令和8年3月末)を延長しない見通し。

防衛特別所得税(仮称)の創設案も示された。所得税額に対し、税率1%の新たな付加税とし、課税期間は令和9年1月からとしている。

自民と維新の両税調会長が会談

自民党と日本維新の会の両税調会長会談も同日に行われた。マル政項目の議論の状況について、自民党の小野寺税調会長は「両党で一致しているものと距離感があるもの、来週以降に協議をして両党の意見をすり合わせるものがある。来週が重要な局面になる」などと話した。

主なマル政等処理案

(1)法人課税(大胆な設備投資促進税制、研究開発税制の見直し、賃上げ促進税制の見直し)

(2)個人所得課税①(基礎控除等の額の適時の引上げの具体的な方策、極めて高い所得の負担のあり方)

(3)個人所得課税等②(住宅ローン控除、NISA、教育贈与)

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