自民税調 最終処理案で検討項目の詳細判明【令和8年度税制改正動向ニュース ~与党税調の議論の行方~】

自民税調 最終処理案で検討項目の詳細判明

自民党税制調査会(小野寺五典会長)は12月12日、小委員会を開き、令和8年度税制改正大綱の取りまとめに向けて最終処理案の審議を行った。「マルバツ(〇×)等審議」で検討し後日報告(△)となっていた項目等の受け入れ(〇)が示された。

少額減価償却資産の損金算入特例等が受け入れに

マルバツ等審議の項目が変更となったのは次のとおり。所得税関係では、食事支給に係る所得税非課税制度について、非課税限度額を月額7,500円として引き上げる。NISA口座開設10年後等の所在地確認の手続きの簡素化及びその他所要の措置を講じ、セルフメディケーション推進のための医療費控除の特例措置も拡充する。

法人税関係では、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例やカーボンニュートラルに向けた投資促進税制の期限延長・拡充を行うとした。外国子会社合算税制(CFC税制)も見直しを行う。

相続税・贈与税関係では、法人版及び個人版事業承継税制について、特例承継計画等の提出期限の延長を行う。消費税関係では、国境を越えたEC取引に係る消費税制度の見直しを行う。そのほか、暗号資産取引に係る必要な法整備と併せて、分離課税の導入を含めた暗号資産取引等に係る課税の見直しを行う。

基礎控除等の3党合意の対応等は次回協議に持ち越し

部会要望重点項目一覧にない項目(案)(国税関係)も示された。法人税関係では、特定投資運用業者の役員に対する業績連動給与の損金算入の特例について、適用期限(令和8年3月31日)の到来をもって廃止するとした。中小企業者の欠損金等以外の欠損金の繰戻しによる還付の不適用措置については、適用期限(令和8年3月31日)を2年延長する。所得税・法人税関係では、租税特別措置における取得価額要件の見直しとして、中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度について、取得価額要件を40万円以上に引き上げる等としている。

なお、基礎控除等の3党合意の対応、高校生年代の扶養控除、防衛力強化の財源確保等は次回の協議に持ち越しとなった。

また、自民党と国民民主党の両税調会長会談も同日に行われ、自民党の小野寺会長は「年収の壁は3党合意の中で今後議論を深めた上で当時の合意に向けて努力していく」と話した。

主な最終処理案

最終処理案(国税関係・地方税関係)、△など項目一覧(国税関係・地方税関係)、部会要望重点項目一覧にない項目

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