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昭和50年1月1日以後において、農業を営む個人が、推定相続人の1人の者に農地の全部及び採草放牧地の3分の2以上並びに準農地の3分の2以上を贈与した場合には、その農地等の受贈者の不動産取得税については担保の提供と一定の申請を要件としてその贈与者の死亡の日までその徴収が猶予される(法附則12)。
ただし、受贈者に贈与者の死亡の日前に次に掲げる(1)から(3)の事由が生じたときは、その生じた日から2月を経過する日(その該当することとなった後同日以前に受贈者が死亡した場合には、受贈者の相続人が死亡による相続の開始を知った日の翌日から6月を経過する日)まで、(4)の事由が生じたときは、その生じた日まで、それぞれ徴収の猶予がされる。
なお、この徴収猶予の適用を受ける受贈者が、経営移譲年金の支給を受けるため、生前一括贈与を受けた農地等を贈与者の死亡前に推定相続人の1人に対し、使用貸借による権利の設定をした場合、贈与者の死亡前に農用地利用集積計画に基づき一定の要件の下で特例適用農地等の貸付けを行った場合、農地中間管理事業の推進に関する法律に規定する農地中間管理事業のために特例適用農地等の貸付けを行った場合及び徴収猶予を10年以上(貸付け時において65歳未満である場合には20年以上)受けている者が、農業経営基盤強化促進法の規定に基づき特例適用農地等の貸付けを行った場合には、上記のただし書にかかわらず、徴収猶予の適用を継続して受けられることとされている。
この場合において、①その農地等につき使用貸借による権利の設定を受けている推定相続人(被設定者)がその権利の譲渡等をした場合又はその農地等に係る農業経営の廃止をした場合には、受贈者がその譲渡等又は廃止をしたものとみなされ、また②被設定者が受贈者の推定相続人に該当しないこととなった場合には、受贈者が贈与者の推定相続人に該当しないこととなったものとみなされ、③貸付特例適用農地等を借り受けた者が、農地等として使用していない等の場合には、受贈者が賃借権等の設定をしたものとみなされて、上記のただし書の規定が適用される(すなわち、その事実の生じた日から2月を経過する日までで徴収の猶予が打ち切られることになる。)。
備考
農地等とは、農地又は採草放牧地(これらの上に存する地上権等の権利を含む。特定市街化区域内農地等に該当するものを除く。)並びに準農地をいう(措法70の4①)。
徴収の猶予の期限の確定により徴収すべき延滞金について、その確定の事由が収用交換等による譲渡である場合には、その額を2分の1とする特例措置が講じられている(法附則12②)。