税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

賞与

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 〈「給与所得者の扶養控除等の申告書」が提出されている場合〉

 賞与に対する税額は、所得税法別表第4の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用して算出率を求め、それを社会保険料控除後の賞与の金額に乗じて求める。

備考

賞与の額から控除する社会保険料は、通常雇用保険料のみである。

東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法第29条第1項第1号の規定により、左記の所得税法別表第4の表にかかわらず、所得税法別表第2から別表第4までに定める金額及び復興特別所得税の額の計算を勘案して財務大臣が定める表による金額とすることができる。

(1) 前期中に通常の給与等の支払がある場合

  • (イ) 賞与の金額に乗ずべき「算出率」を求める。
    前月中の通常の給与等の金額 ― 前月中の社会保険料の金額 …… 扶養親族等の数に応じ、算出率を求める。
     上の場合において、「給与所得者の扶養控除等申告書」に障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生、同居の特別障害者に該当する旨の記載があるときは、給与に対する場合と同様にこれらの一に該当するごとに扶養親族を1人加算して「扶養親族等の数」欄を適用し算出率を求める。
  • (ロ) 徴収税額を計算する。
      (賞与の金額―社会保険料)×上で求めた算出率 = 徴収税額

(2) 前月中に通常の給与等の支払がない場合

〔 賞与の金額 ― 社会保険料の金額 〕×(1/6)=A

 Aに月額表甲欄を適用して求めた税額×6 = 徴収税額

(3) 前月分の通常の給与等の10倍を超える賞与を支給する場合

{〔 賞与の金額 ― 社会保険料の金額 〕×(1/6)+ 前月中の通常の給与等の金額 ― 前月中の社会保険料の金額 (A)}=B

Bに月額表甲欄を適用して求めた税額……イ

Aに月額表甲欄を適用して求めた税額……ロ

(イ―ロ)×6 = 徴収税額

 上の(2)、(3)の場合においても、「給与所得者の扶養控除等申告書」に障害者、寡婦、ひとり親、勤労学生、同居の特別障害者に該当する旨の記載があるときは、これらの一に該当するごとに扶養親族を1人加算して「扶養親族等の数」を適用し、税額を求める。

(年末賞与の徴収税額の特例)

 年末賞与が通常の給与よりも先に支給される場合において、その年最後の給与で年末調整による不足額が生ずると見込まれるときは、その不足額の見積額を年末賞与の税額に合算して、徴収することができる(法186③)。

<「従たる給与についての扶養控除等申告書」が提出されている場合及び主たる給与についての「扶養控除等申告書」の提出がない場合>

  • (1) 前月中に通常の給与等の支払がある場合
     前月中の通常の給与等から社会保険料を控除した金額で算出率表の乙欄により算出率を求め、賞与から社会保険料を控除した金額にこの算出率を乗じて徴収税額を求める(扶養控除等の有無は関係しない。)。
  • (2) 前月中に通常の給与等の支払がない場合
     賞与の金額から社会保険料の金額を控除した残額を6で割り、その額を月額表乙欄を適用して税額を求め、従たる給与について扶養控除が認められる場合には、控除対象扶養親族1人について1,610円を控除し、その残額を6倍して徴収税額を求める。
  • (3) 前月分の通常の給与等の10倍を超える賞与の支給をする場合
     社会保険料控除後の賞与の金額の6分の1相当額と前月分の社会保険料控除後の通常の給与等の金額との合計額に対して月額表乙欄を適用して求めた税額から、その通常の給与等の金額に対して月額表乙欄を適用して求めた税額を差し引き、その残額を6倍して徴収税額を求める。この場合、従たる給与について扶養控除が認められる場合は、それぞれの税額計算において、控除対象扶養親族1人について1,610円を控除する。

備考

上記算式及び左記説明中(1/6)及び6倍とあるのは、賞与の計算期間が6月以内の場合であって、賞与の計算期間が6月を超える場合には1/12及び12倍により求める(法186)。

3 徴収

 求めた徴収税額を支払の際に給与等の額から徴収するが、同時に徴収した社会保険料及び税額を、各人別に賃金台帳又は1人別徴収簿に記載する。

4 納付

 徴収した税額は、「徴収高計算書」に内訳を記載し、「納付書」に必要事項を記載の上、①日本銀行、国庫歳入代理店(指定銀行)、②税務署のいずれかに徴収した日の属する月の翌月10日までに納付しなければならない。

 なお、源泉徴収義務者が給与等の支払に係る所得税を納付しなかった場合において、税務署長がその源泉徴収義務者からその給与等の支払に係る所得税を徴収するときは、その給与等の支払を受けた者の労務に従事した期間、労務の性質、その提供の程度その他の事項により、その給与等の支払を受けた者ごとの支払金額及びその支払の日の推計等をして、これをすることができる(青色申告書を提出した個人の事業所得の金額等に係る支払及び青色申告書を提出した法人の支払に係るものを除く。)(法221②~⑦、令334の2)。

備考

徴収高計算書を兼ねた納付書が用意されている。

徴収して納付する税額がない場合でも徴収高計算書は提出する必要がある。

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