法人税法において減価償却を認められる資産とは、次の資産をいい、棚卸資産、有価証券及び繰延資産に含まれるものは除かれる(法2二十三、令13)。なお、事業の用に供しないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものも除かれる。
- (1) 有形減価償却資産
- ① 建物及び附属設備(暖冷房設備、照明設備、通風設備、昇降機その他建物に附属する設備をいう。)
- ② 構築物(ドック、橋、岸壁、桟橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。)
- ③ 機械及び装置
- ④ 船舶
- ⑤ 航空機
- ⑥ 車両及び運搬具
- ⑦ 工具、器具及び備品(観賞用、興行用その他これらに準ずる用に供する生物を含む。)
- (2) 無形減価償却資産
- ① 鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)
- ② 漁業権(入漁権を含む。)
- ③ ダム使用権
- ④ 水利権
- ⑤ 特許権
- ⑥ 実用新案権
- ⑦ 意匠権
- ⑧ 商標権
- ⑨ ソフトウエア
- ⑩ 育成者権
- ⑪ 公共施設等運営権
- ⑫ 樹木採取権
- ⑬ 営業権
- ⑭ 専用側線利用権及び鉄道軌道連絡通行施設利用権
- ⑮ 電気ガス供給施設利用権
- ⑯ 水道施設利用権及び工業用水道施設利用権
- ⑰ 電気通信施設利用権
- (3) 生物((1)の⑦に該当する生物を除く。)で次のもの
- ① 牛、馬、豚、めん羊及びやぎ
- ② かんきつ樹、りんご樹、ぶどう樹、梨樹、桃樹、桜桃樹、びわ樹、くり樹、梅樹、柿樹、あんず樹、すもも樹、いちじく樹、キウイフルーツ樹、ブルーベリー樹及びパイナップル
- ③ 茶樹、オリーブ樹、つばき樹、桑樹、こりやなぎ、みつまた、こうぞ、もう宗竹、アスパラガス、ラミー、まおらん及びホップ
事業の用に供されていない資産は、減価償却資産に該当しない。したがって、遊休設備は、原則として減価償却できないが、休止期間中必要な維持補修が行われいつでも稼動できる状態にあるものは減価償却資産に該当する(基通7-1-3)。
建設中の建物、機械及び装置等の資産は減価償却資産に該当しないが、建設仮勘定として表示されている場合であっても、その完成した部分が事業の用に供されているときは、その部分は減価償却資産に該当する(基通7-1-4)。
特定の研究開発にのみ使用するため取得又は製作をしたソフトウエア(研究開発のための材料となることが明らかなものを除く。)であっても、減価償却資産に該当する(基通7-1-8の2)。
常備する専用部品及び工業所有権の実施権等の償却については、基通7-1-4の2及び3を参照。