税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

特別償却不足額がある場合の償却限度額の計算の特例

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 法人の有する減価償却資産又は繰延資産で、特別償却の適用を受けたものについて特別償却不足額がある場合の償却限度額は、次に掲げる普通償却限度額に特別償却不足額を加算した金額である(措法52の2①②、措令30)。

  • (1) 旧定率法又は定率法(取替法で取得価額の50%相当額までの償却につき旧定率法又は定率法によっているものを含む。(1)において同じ。)を採用している場合には、特別償却不足額が既に償却されたものとみなして計算した未償却残高につき旧定率法又は定率法により計算した普通償却限度額
  • (2) (1)以外の償却方法を採用している場合には、その償却方法により計算した普通償却限度額

 また、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により特別償却対象資産の移転を受けた場合において、その特別償却対象資産につき合併等特別償却不足額があるときは、その移転を受けた日を含む事業年度の償却限度額は、普通償却限度額に合併等特別償却不足額を加算した金額とされる(措法52の2④⑤)。

特別償却不足額

 特別償却不足額とは、事業年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度(連続して青色申告書を提出している場合に限る。)において、償却費として損金の額に算入された金額が、特別償却の規定により計算される償却限度額に満たない場合の差額(特別償却限度額に達するまでの金額に限る。)で、直前の事業年度までに損金に算入されていない金額である(措法52の2②)。

 また、合併等特別償却不足額とは、適格合併等に係る被合併法人、分割法人、現物出資法人又は現物分配法人のその適格合併等の日(適格合併にあってはその適格合併の日の前日、残余財産の全部の分配に該当する適格現物分配にあってはその適格現物分配に係る残余財産の確定の日)を含む事業年度における特別償却対象資産の償却費として損金の額に算入された金額(その資産が適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により移転を受けたものである場合には、法人税法第31条第2項又は第32条第2項に規定する期中損金経理額のうち損金の額に算入された金額)がその資産の特別償却に関する規定により計算される償却限度額(租税特別措置法第45条第2項又は第46条から第48条までの規定の適用を受ける場合には、これらの規定に規定する普通償却限度額と特別償却限度額との合計額)に満たない場合のその差額のうち、その資産の特別償却に関する規定に規定する特別償却限度額に達するまでの金額をいう(措法52の2⑤)。

備考

特別償却不足額の繰越控除は、不足額の生じた事業年度以降の各事業年度の確定申告書に償却限度額の計算に関する明細書を添付しなければ、適用されない(措法52の2③)。

合併等特別償却不足額の引継ぎは、その不足額の移転を受けた日を含む事業年度の確定申告書等に同項に規定する特別償却対象資産の償却限度額及び同項に規定する合併等特別償却不足額の計算に関する明細書の添付がない場合には、適用されない(措法52の2⑥)。

割増償却の適用を受けるものの特別償却不足額は、償却費として損金算入された金額が普通償却限度額と特別償却限度額との合計額に満たない場合のその差額である(措法52の2②)。

特別償却対象資産が被災代替資産等の特別償却の規定の適用を受けた減価償却資産であるときは、青色申告書以外の確定申告書は、青色申告書とみなされる(措法52の2②)。

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