税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

利子収入の計上時期

 貸付金、預金、貯金又は有価証券(以下「貸付金等」という。)から生ずる利子は、その利子の計算期間の経過に応じその事業年度に係る金額をその事業年度の益金に算入する。ただし、主として金融及び保険業を営む法人以外の法人が、その有する貸付金等(金融及び保険業を兼業する場合には、その金融及び保険業に係るものを除く。)から生ずる利子でその支払期日が1年以内の一定の期間ごとに到来するものの額につき、継続してその支払期日の属する事業年度の益金に算入している場合には、これを認める(基通2-1-24)。

 ただし、質屋営業の貸付金に対する利息のうち流質期限までに利息の支払を受けなかったものについては、未収利息として益金に算入しないことができる(基通2-6-3)。

備考

借入金とその運用資産としての貸付金等がひも付きの見合関係にある場合のように、支払利子の額と運用資産から生ずる利子の額を対応させて計上すべき場合には、左のただし書は適用しない(基通2-1-24(注)1)。

(未収利子の特例)

 貸付金又はその貸付金に係る債務者について次のいずれかの事実が生じた場合には、貸付金から生ずる利子の額(実際に支払を受けた金額を除く。)のうちその事業年度に係るものは、その事業年度の益金に算入しないことができるものとする(基通2-1-25)。

  • (1) 債務者が債務超過に陥っていることその他相当の理由により、その支払を督促したにもかかわらず、貸付金から生ずる利子の額のうちその事業年度終了の日以前1年(以下「直近1年」という。)以内にその支払期日が到来したもの(以下「最近発生利子」という。)の全額がその事業年度終了の時において未収となっており、かつ、直近1年以内に最近発生利子以外の利子について支払を受けた金額が全くないか又は極めて少額であること
  • (2) 債務者につき更生手続が開始されたこと
  • (3) 債務者につき債務超過の状態が相当期間継続し、事業好転の見通しがないこと、債務者が天災事故、経済事情の急変等により多大の損失を蒙ったことその他これらに類する事由が生じたため、貸付金の額の全部又は相当部分についてその回収が危ぶまれるに至ったこと
  • (4) 更生計画認可の決定、債権者集会の協議決定等により貸付金の額の全部又は相当部分について相当期間(おおむね2年以上)棚上げされることとなったこと

備考

左の未収利子は、実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金とする(基通2-1-25(注))。

(制限超過利子)

 利息制限法に定める制限利率(以下「制限利率」という。)を超える利率により金銭の貸付を行っている場合の貸付金から生ずる利子の収益計上については、2-1-24及び2-1-25によるほか、次に定めるところによる(基通2-1-26)。

  • (1) 貸付金から生ずる利子のうちその事業年度に係る金額は、原則としてその貸付に係る約定利率により計算するものとするが、実際に支払を受けた利子を除き、継続して制限利率によりその計算を行っている場合には、これを認める。
  • (2) 貸付金から生ずる利子のうち実際に支払を受けたものについては、その支払を受けた金額を利子として益金に算入する。
  • (3) (1)によりその事業年度に係る利子を計算する場合の計算の基礎となる貸付金の額は、原則としてその貸付に係る約定元本の額によるものとするが、継続して既に支払を受けた利子のうち制限利率により計算した利子の額を超える部分の金額を元本の額に充当したものとしてその貸付金の額を計算している場合には、これを認める。

備考

貸倒引当金(546頁)の計算の基礎となる貸金の帳簿価額も左の方法による(基通2-1-26(注))。

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