税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

不正行為等に係る費用等の損金不算入

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 法人の費用又は損失のうち次に掲げるものについては、損金に算入されない(法55①~⑤)。

  • (1) 法人が隠蔽仮装行為によりその法人税その他の租税の負担を減少させ、又は減少させようとする場合における当該隠蔽仮装行為に要する費用の額又は当該隠蔽仮装行為により生ずる損失の額
  • (2) 法人が納付する次に掲げるものの額
    • ① 国税に係る延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税並びに印紙税法の規定による過怠税
    • ② 地方税法の規定による延滞金、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金
    • ③ 特別法人事業税に係る延滞金(納期限の延長の場合の延滞金を除く。)、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金
    • ④ 地方消費税に係る延滞税及び加算税
  • (3) 法人が納付する次に掲げるものの額
    • ① 罰金及び科料並びに過料
    • ② 国民生活安定緊急措置法の規定による課徴金及び延滞金
    • ③ 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定による課徴金及び延滞金(外国若しくはその地方公共団体又は国際機関が納付を命ずるこれらに類するものを含む。)
    • ④ 金融商品取引法の規定による課徴金及び延滞金
    • ⑤ 公認会計士法の規定による課徴金及び延滞金
    • ⑥ 不当景品類及び不当表示防止法の規定による課徴金及び延滞金
    • ⑦ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の規定による課徴金及び延滞金
  • (4) 法人が供与をする刑法に規定する賄賂又は不正競争防止法に規定する金銭その他の利益に当たるべき金銭の額及び金銭以外の資産の価額並びに経済的な利益の額の合計額に相当する費用又は損失の額

 役員又は使用人に対して課された罰金若しくは科料、過料又は交通反則金を負担した場合において、その罰金等が法人の業務の遂行に関連してされた行為等に対して課されたものであるときは損金に算入されないが、その他のものであるときはその役員又は使用人に対する給与とされる(基通9-5-8)。

 外国又はその地方公共団体が課する罰金又は科料に相当するものとは、裁判手続(刑事訴訟手続)を経て外国又は外国の地方公共団体により課されるものをいう。

(注) いわゆる司法取引により支払われたものも、裁判手続(刑事訴訟手続)を経て課された罰金又は科料に相当するものに該当することに留意する(基通9-5-9(注))。

備考

隠蔽仮装行為とは、その所得の金額若しくは欠損金額又は法人税等の額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装することをいう(法55①)。

「外国若しくはその地方公共団体又は国際機関が納付を命ずるこれらに類するもの」とは、外国若しくはその地方公共団体又は国際機関が、法令等(市場における公正で自由な競争の実現を目的とするものに限る。)に基づいて納付を命ずるもの(罰金及び科料を除く。)をいう(基通9-5-10)。

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