1 同族会社の意義
同族会社とは、会社(投資法人を含む。)の株主等(その会社が自己の株式(投資口を含む。)又は出資を有する場合のその会社を除く。)の3人以下及びこれらの同族関係者の有する株式の数又は出資の金額の合計額が、その会社の発行済株式又は出資(その会社が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の50%を超える数又は金額の株式又は出資を有する場合、その会社の特定の議決権の50%超を有する場合及びその会社の社員又は業務執行社員の過半数を占める場合におけるその会社をいう(法2十、令4⑤)。
「株式」及び「発行済株式」には、議決権制限株式が含まれる(基通1-3-1)。
「株主等」は、株主名簿、社員名簿又は定款の記載又は記録によるが、単なる名義人である場合は実際の権利者を「株主等」とする(基通1-3-2)。
備考
同族会社の判定の時期は、行為計算否認規定の適用の場合はその行為計算が行われたときの現況による(法132②)。
同族会社の判定に当たって、株式又は出資の数又は金額による判定により同族会社に該当しないときであっても、例えば議決権制限株式を発行しているとき又は特定の議決権を行使することができない株主等がいるときなどは、特定の議決権等による判定を行う必要がある(基通1-3-1)。
必ずしも株式若しくは出資の所有割合又は議決権の所有割合の大きいものから順に判定株主を選定する必要はなく、選定の仕方を代えて判定すれば同族会社となる場合も同族会社に該当する(基通1-3-5)。
次のいずれにも該当する法人は、同族会社と同様に行為又は計算の否認の取扱いを受ける(法132①)。
留保金課税制度に係る「特定同族会社」については法67参照。
(同族関係者の範囲)
同族会社の判定の場合の同族関係者とは、次のものをいう。
(支配している場合)
他の会社を支配している場合とは、次の場合をいう(令4③)。
2 同族会社の行為計算否認
同族会社の行為又は計算でこれを容認した場合には、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるときは、その行為又は計算が否認され、課税標準、欠損金額又は法人税額が計算される(法132①)。
備考
組織再編成に係る行為又は計算の否認については、法132の2参照。