特定収入に係る課税仕入れ等の税額の計算は、仕入れに係る消費税額の計算をいずれの方法により行うかの区分に応じ、次により計算する。
- 1 仕入れに係る消費税額の計算につき法第30条第2項の適用がない場合(課税売上割合が95%以上である場合)(令75④一)
課税仕入れ等に係る特定収入の合計額(a)×(7.8/110)+{(課税仕入れ等の税額-aの金額)×調整割合}
(注)1 「課税仕入れ等に係る特定収入」とは、その使途が課税仕入れ等に係る支出にのみ充てることとされている特定収入をいう。
2 「調整割合」とは、その課税期間における実績に基づき、次の計算式により算出した割合をいう。
課税仕入れ等に係る特定収入以外の特定収入/(資産の譲渡等の対価の額+課税仕入れ等に係る特定収入以外の特定収入) - 2 仕入れに係る消費税額の計算を個別対応方式(法30②一)により行う場合(令75④二)
次の①から③までに掲げる金額の合計額 - ① 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に使途が特定されている部分に係る特定収入の合計額×(7.8/110)
- ② 課税・非課税共通用の課税仕入れ等に使途が特定されている部分に係る特定収入の合計額×(7.8/110)×課税売上割合
(注) 課税・非課税共通用の課税仕入れ等の税額の配分について課税売上割合に準ずる割合の承認を受けているときは、その割合により計算する。 - ③ 課税仕入れ等の税額の合計額-①の金額-②の金額×調整割合
なお、この場合、その課税期間の課税仕入れ等の税額の合計額から①の金額と②の金額との合計額を控除して控除しきれない金額があるときは、次により計算した金額となる。
(①の金額+②の金額)-{(①の金額+②の金額)-課税仕入れ等の税額の合計額}×調整割合
- 3 仕入れに係る消費税額の計算を一括比例配分方式(法30②二)により行う場合(令75④三)
次の①の金額と②の金額の合計額 - ① 課税仕入れ等に係る特定収入の合計額×(7.8/110)×課税売上割合
- ② 課税仕入れ等の税額の合計額-①の金額×調整割合
なお、この場合、課税仕入れ等の税額の合計額から①の金額を控除して控除しきれない金額があるときは、次により計算した金額となる。
①の金額-(①の金額-課税仕入れ等の税額の合計額)×調整割合
特定収入とは、資産の譲渡等の対価以外の収入のことをいい、例えば、次の収入がこれに該当する。
- イ 租税
- ロ 補助金
- ハ 交付金
- ニ 負担金
- ホ 他会計からの繰入金
- ヘ 寄附金
- ト 出資に対する配当金
- チ 保険金
- リ 損害賠償金
- ヌ 資産の譲渡等の対価に該当しない会費等
- ル 資産の譲渡等の対価に該当しない喜捨金等
- ヲ イからルまでに掲げる収入以外の収入で資産の譲渡等の対価に該当しないもの
- ワ 借入金等に係る債務の全部又は一部の免除があった場合におけるその免除に係る債務の額
- 〇次の収入は、特定収入から除かれる(令75①)。
- イ 借入金及び債券の発行に係る収入で、法令においてその返済又は償還のための補助金、負担金その他これらに類するものの交付を受けることが規定されているもの以外のもの(以下「借入金等」という。)
- ロ 出資金
- ハ 預金、貯金及び預り金
- ニ 貸付回収金
- ホ 返還金及び還付金
- ヘ 次に掲げる収入
- (イ) 法令又は交付要綱等(国、地方公共団体又は特別の法律により設立された法人から資産の譲渡等の対価以外の収入を受ける際にこれらの者が作成したその収入の使途を定めた文書をいう。)において、次に掲げる支出以外の支出(特定支出)のためにのみ使用することとされている収入
- ① 課税仕入れに係る支払対価の額に係る支出
- ② 特定課税仕入れに係る支払対価等の額に係る支出
- ③ 課税貨物の引取価額に係る支出
- ④ 借入金等の返済金又は償還金に係る支出
- (ロ) 国又は地方公共団体が合理的な方法により資産の譲渡等の対価以外の収入の使途を明らかにした文書において、特定支出のためにのみ使用することとされている収入
国若しくは地方公共団体の特別会計、公共法人等又は人格のない社団等については、小規模事業者に係る納税義務の免除(法9)及び簡易課税制度(法37)の規定は適用される。