税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

納税地

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1 個人事業者の納税地

 個人事業者の納税地は次の区分に応じ、それぞれ次に掲げる場所である(法20令42)。

  • ① 国内に住所を有する場合…住所地
  • ② 国内に住所がなく、居所を有する場合…居所地
  • ③ 国内に住所及び居所がなく、その事業に係る事務所等を有する場合…事務所等の所在地
  • ④ ①又は②により納税地が定まっていた者が国内に住所及び居所を有しないこととなった場合で、国内に事務所等を有せず、かつ、その納税地とされていた場所にその者の親族等が引き続き又はその者に代わって居住しているとき…従来の納税地
  • ⑤ ①~④に該当しない場合で、不動産、不動産上の権利、採石権の貸付け又は租鉱権の設定による対価を受ける場合…不動産等の所在地
  • ⑥ ①~⑤のいずれにも該当しないこととなった場合…直前の納税地
  • ⑦ 上記のいずれにも該当しない場合…その者が選択した場所(選択がないときは麹町税務署管内の場所)

備考

国内に住所のほか居所も有する者で、所得税の納税地を居所地とする旨の届出書を提出している者は、消費税についても居所地が納税地となる(法21①、法附則10)。

国内に住所及び居所のほか事務所等を有する者で、所得税の納税地を事務所等の所在地とする旨の届出書を提出している者は、消費税についても事務所等の所在地が納税地となる(法21②、法附則10)。

2 法人の納税地

 法人の納税地は次の区分に応じたそれぞれの場所である(法22令43)。

  • ① 国内に本店又は主たる事務所を有する法人(内国法人)である場合…本店又は主たる事務所の所在地
  • ② 内国法人以外の法人(外国法人)で、国内に事務所等を有する場合…事務所等の所在地
  • ③ 外国法人が国内にある不動産の貸付けによる対価を受ける場合…対価に係る資産の所在地
  • ④ 外国法人が②及び③のいずれにも該当しないこととなった場合…直前の納税地
  • ⑤ ②から④以外の外国法人である場合…その外国法人が選択した場所(選択がないときは麹町税務署管内の場所)

備考

法人が合併した場合、被合併法人の合併の日後における納税地は、合併法人の納税地による(基通2-2-2)。

3 納税地の指定

 1及び2による納税地が個人事業者又は法人の行う資産の譲渡等及び特定仕入れの状況からみて消費税の納税地として不適当である場合には、その納税地の所轄国税局長又は国税庁長官は、納税地を指定する(法23①、令44)。

 国税局長又は国税庁長官は納税地を定めた場合には、その旨を書面により通知する(法23②)。

備考

判決等により、納税地指定の処分の取消しがあった場合においても、その取消しの時までの間になされた申告等の効力には影響を及ぼさない(法24)。

4 納税地異動の届出

 個人事業者及び法人は、資産の譲渡等及び特定仕入れに係る消費税の納税地に異動があった場合には、遅滞なく、異動前の納税地の所轄税務署長に対し、異動前の納税地及び異動後の納税地を記載した書類(消費税異動届出書)を提出しなければならない(法25規14)。

5 外国貨物に係る納税地

 保税地域から引き取られる外国貨物に係る納税地は、その保税地域の所在地である(法26)。

6 特殊な場合の納税地

 輸出物品販売場において免税で購入した物品を譲渡した場合等の納税地は、次の区分に応じ、それぞれ次の場所である(法27)。

  • ① 本邦から出国する日までに輸出しなかったとき…出国の際の出港地
  • ② 輸出しないまま居住者となったとき…居住者になったときの住所地又は居所地
  • ③ 承認を受けて国内で譲渡した場合…その承認があった時におけるその物品の所在地
  • ④ 承認を受けずに国内で譲渡した場合…その譲渡の時におけるその物品の所在地

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