税務用語辞典


  • 令和3年度 税制改正対応版※令和3年4月1日現在の法令等によっています。

民法の相続分

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 相続人が数人いるときは、これらの相続人を共同相続人といい、相続の開始によってその相続財産はまず共同相続人の共有となる。そして共有財産は各共同相続人の相続分に応じて分割される(民898~903)。

遺言がある場合

(1) 遺言で相続分が定めてある場合は、これによる。

  相続分は、被相続人の遺言によって定めることができる。遺言で被相続人自ら各相続人の相続分を指定し、また第三者に指定を委託できる(民902①)。

  ただし、共同相続人のうち一部のものだけについて相続分を指定し、他のものには何も指定しなかった場合は指定されなかった相続人は法定相続分を受ける(民902②)。

遺言がない場合

(2) 遺言による指定がない場合は法定相続分による(民900)。

  法定相続分は次のとおりである。

  • ① 第1順位の相続人は、配偶者と子(子の直系卑属が代襲相続人となるときを含む。以下同じ。)で、相続分は、配偶者が遺産の1/2、子が遺産の1/2である。
    (配偶者がいるとき)
    被相続人   ┌子(1/2の1/3)
    ├──────┼子(〃)
    配偶者(1/2)  └子(〃)
    (配偶者がいないとき)
           ┌子(1/3)
    被相続人───┼子(1/3)
           └子(1/3)
  • ② 子がない場合には、配偶者と直系尊属が相続人となり、この場合の相続分は、配偶者が遺産の2/3、直系尊属が遺産の1/3である。
    (1/3の1/2)父─┬─被相続人
    (1/3の1/2)母─┘  │
             配偶者(2/3)
  • ③ 子も直系尊属もない場合は、配偶者と兄弟姉妹(兄弟姉妹の直系卑属が代襲相続人となるときを含む。)が相続人となり、配偶者が遺産の3/4、兄弟姉妹が遺産の1/4となる。
     配偶者(3/4)
      │
    ┌被相続人
    ├兄(1/4の1/2)
    └妹(1/4の1/2)

 なお、共同相続人の中に寄与相続人があるときは、遺産から寄与分を控除したものを相続財産とみなして上記①から③により相続分を算定し、寄与相続人の相続分は、これに寄与分を加算した額による。寄与分は、共同相続人の協議又は家庭裁判所の審判によって定められる(民904の2)。

備考

同じ相続順位の相続人が数人いるときは、これらの人の間ではその相続分は原則として平等である(民900四)。

父母の一方だけを同じくする兄弟姉妹は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の半分である(民900四)。
母(死亡)   配偶者(3/4)
│       │
│    ┌(子)被相続人
├────┼子 (1/4の2/5)
│    └子 (1/4の2/5)
父(死亡)
└────父の子(1/4の1/5)

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