相続人が数人いるときは、これらの相続人を共同相続人といい、相続の開始によってその相続財産はまず共同相続人の共有となる。そして共有財産は各共同相続人の相続分に応じて分割される(民898~903)。
遺言がある場合
(1) 遺言で相続分が定めてある場合は、これによる。
相続分は、被相続人の遺言によって定めることができる。遺言で被相続人自ら各相続人の相続分を指定し、また第三者に指定を委託できる(民902①)。
ただし、共同相続人のうち一部のものだけについて相続分を指定し、他のものには何も指定しなかった場合は指定されなかった相続人は法定相続分を受ける(民902②)。
遺言がない場合
(2) 遺言による指定がない場合は法定相続分による(民900)。
法定相続分は次のとおりである。
なお、共同相続人の中に寄与相続人があるときは、遺産から寄与分を控除したものを相続財産とみなして上記①から③により相続分を算定し、寄与相続人の相続分は、これに寄与分を加算した額による。寄与分は、共同相続人の協議又は家庭裁判所の審判によって定められる(民904の2)。
備考
同じ相続順位の相続人が数人いるときは、これらの人の間ではその相続分は原則として平等である(民900四)。
父母の一方だけを同じくする兄弟姉妹は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の半分である(民900四)。
母(死亡) 配偶者(3/4)
│ │
│ ┌(子)被相続人
├────┼子 (1/4の2/5)
│ └子 (1/4の2/5)
父(死亡)
└────父の子(1/4の1/5)