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[全文公開] 【ビジュアル版】軽減税率制度の導入と印紙税の記載金額

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本年10月1日以降,消費税率の10%への引上げと軽減税率制度の導入が予定されているが,印紙税の記載金額についての取扱いは変わらない。

金銭又は有価証券の受取書(第17号文書),不動産の譲渡等に関する契約書(第1号文書),請負に関する契約書(第2号文書)の3点について,その文書上に,消費税額等が区分記載されている,又は税込価格及び税抜価格が記載されていることにより,その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかである場合には,消費税額等の金額を記載金額に含めないこととされている(消費税法の改正等に伴う印紙税の取扱いについて)。

例えば,金銭又は有価証券の受取書(第17号文書)は,記載された受取金額が5万円未満であれば非課税となる。この点,税抜価格47,000円,消費税額等3,760円の品物を販売するケース(税率8%)において,「50,760円(うち消費税額等3,760円)」などと記載すれば,記載金額は47,000円となり,印紙税は課されない。

この考え方は,軽減税率制度が導入されても変わらない。すなわち,下記左の領収書のように,消費税額等が10%と8%に区分表記されていても,その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかであれば,消費税額等の金額を記載金額に含めなくてよい。

なお,領収書等の記載金額は,その文書上に「その取引に当たって課されるべき消費税額等」が記載されているか否かで判断する。

従って,10月1日以降,仮に,下記右のような,区分記載請求書で求められている「軽減税率対象資産の譲渡等である旨」及び「税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)」の記載のない領収書が発行された場合でも,その取引に当たって課されるべき消費税額等が明らかであれば,記載金額に消費税額等の金額を含めなくてよいということだ。