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[全文公開] レジ袋の売上寄附と仕入控除の用途区分

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7月1日から,スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で商品販売時に用いるレジ袋が有料化される。レジ袋の価格や売上の使途は,制度の趣旨や目的を踏まえた上で事業者が決められるが(プラスチック製買物袋有料化実施ガイドライン),そのレジ袋の売上を環境保全事業等に寄附することも想定されている。売上を寄附する前提でレジ袋を仕入れた場合でも,その仕入れは消費税の仕入税額控除の用途区分上,“課税売上対応”となるようだ。

消費税法上,寄附をするために仕入れた物品に係る個別対応方式の用途区分は,原則,課税売上・非課税売上の両方に係る“共通対応”となる( 消基通11-2-17 )。レジ袋の有料化においては,小売業者はレジ袋を業者から仕入れ,それを有料で顧客に提供しており,その売上を寄附する前提であっても,レジ袋そのものを寄附するわけではない。このため,その売上はレジ袋に係る課税売上となり,レジ袋に係る仕入れは“課税売上対応”となろう。

また,レジ袋有料化後も,素材等により無料で提供できる種類のレジ袋もある。商品の販売に際し顧客に提供するもので単に無料で配るものではないため,無料のレジ袋の仕入れに係る個別対応方式の用途区分は,その販売する商品に付随,応じたものとなるようだ。スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で扱う商品は一般的に課税売上と考えられるため,無料レジ袋の仕入れも基本的には“課税売上対応”となろう。

なお,顧客に販売する商品が軽減税率(8%)の対象の飲食料品でも,有料レジ袋には標準税率(10%)が課されるため,両者の税率区分が必要となることにも留意したい。