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[全文公開] 年末調整の電子化と届出

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年末調整手続の電子化には,一定の期日までに届出が必要だが( №3615 ・8頁等),年末調整申告書の電子データでの受領は,これまでも認められており( №3479 ・6頁),既に届出を行っているケースもあろう。既に届出を行っている場合,届出の内容に変更があっても再提出の必要はない。

年末調整申告書を電子データで受領するには,事前に税務署へ「電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し承認を受ける必要がある( 所法198 ②等)。10月1日から電子データにより提供を受けたいのであれば,8月末までに承認申請書を提出しておきたい(この場合,税務署から承認しないことの決定通知がない限り,9月30日に承認があったものとみなされる)。

令和2年10月からは,これまで対象になっていなかった「住宅ローン控除申告書」や,令和2年分から新設された「基礎控除申告書」及び「所得金額調整控除申告書」についても電子データで受領できるようになる。また,これらの年末調整申告書を電子データで受領する場合には,控除証明書等についても電子データで受領できるようになるが,対象となる年末調整申告書や控除証明書等の種類が増えたとしても改めて届出を行う必要はない。

また,承認申請書には電磁的方法の種類(メール等で提出or USBメモリ等に保存の上,提出)や電磁的方法により提供する者の氏名を明らかにするための措置の内容(電子署名を付すor ID及びパスワードを付す)を記載して提出することになるが,これらを変更しても,再度,届出を行う必要はないということだ。

なお,届出を行い承認を受けたからといって,必ず全ての年末調整申告書,控除証明書等の電子データでの受領が強制されるわけではなく,従来通り,紙で受領することも可能だ。