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[全文公開] 今週のFAQ(3/3/22)<業績連動型の譲渡制限付株式と業績連動給与>

( 53頁)

№3646 ・6頁の『熊本局 業績連動型の株式報酬について文書回答』では,一定の譲渡制限付株式が業績連動給与に該当することが示されていますが,法令上,業績連動給与として定義されている「特定譲渡制限付株式による給与で,無償で取得される株式の数が役務の提供期間以外の事由により変動するもの」は,業績連動給与として損金算入できますか?

「特定譲渡制限付株式による給与で,無償で取得される株式の数が役務の提供期間以外の事由により変動するもの」は,業績連動給与に該当するものの( 法法34 ⑤),損金算入要件の判定対象から除外されているため,損金算入できません( №3454 ・10頁)。

法人税法上,業績連動給与は,【参考1】の2類型が定義されています。

【参考1】(2)に該当する譲渡制限付株式は,業績連動給与には該当するものの,【参考2】のとおり,損金算入要件の対象となる給与に含まれていません。

№3646 ・6頁の事例とは異なり,業績連動型の譲渡制限付株式であっても,交付後に,業績に連動して無償取得される数が変動する仕組のものは,業績連動給与としての損金算入は認められないことになります。

【参考1】業績連動給与の定義( 法法34 ⑤)
(1) 利益の状況を示す指標等を基礎として算定される額や数の金銭・株式・新株予約権による給与
(2) 特定譲渡制限付株式による給与で無償で取得される株式の数が役務の提供期間以外の事由により変動するもの等

【参考2】損金算入要件( 法法34 ①三イ)
〇交付される金銭の額や株式・新株予約権の数の算定が利益の状況を示す指標等を基礎とした客観的なもの
〇交付される新株予約権の数のうち無償で取得され,若しくは消滅する数の算定が利益の状況を示す指標等を基礎とした客観的なもの

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