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[全文公開] 自主点検と申告書確認表

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令和3年3月期決算法人の申告が始まっている。令和2年4月1日以後開始事業年度から大法人は電子申告が義務化されているため,申告書の提出前には,添付書類等の漏れや誤りがないよう申告書確認表等を活用することも一法だ。

国税庁では,調査課所管法人向け(原則,資本金1億円以上の法人)に申告書確認表等を提供している。申告誤りを未然に防止し,税務上のリスクを軽減するための資料の一つで,令和2年6月末時点で調査課所管法人のうち約3割が利用しているという。

「申告書確認表」は,提出直前の申告書の自主点検の際に活用するもので,法人が申告書作成時に誤りやすい事項を別表ごとにまとめたチェックシート。単体法人用のほか,連結申告用・個別帰属額届出用・外国法人用がある。令和2年度分(単体法人用)は計107項目あり,電子申告を要することとなる申告書の添付書類を確認する項目や,完全支配関係がある法人間取引に係る項目(別表十四(五)関係)など12項目が追加された。このほか,資本金の額等が100億円超の法人が接待飲食費の50%損金算入特例を適用していないかどうかなど,令和2年度改正も反映された内容だ。

もう1つの自主点検用資料「大規模法人における税務上の要注意項目確認表」は,申告書作成前の決算調整事項や申告調整事項の把握漏れ等の自主監査に活用するもの。収益・売上原価の計上時期や前払費用の取扱いなど,社内の税務・決算処理について主要な勘定科目ごとに誤りやすい事項が58項目にまとめられている。

なお,これらの確認表は提出の必要はないが,会社事業概況書には活用の有無を記入する欄が設けられており,税務調査等の際に活用の状況を確認することもあるという。