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[全文公開] 固定資産税評価額と評価替え

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令和3年度は土地等に係る固定資産税の評価替えの年に当たる。3年ごとに行われる評価替えだが,新型コロナの影響等による経済状況等を踏まえ,地価が下落した場合には評価額の下落修正措置などが講じられる。

土地の評価は“一物五価”ともいわれ,一般的な取引価格である時価のほか,公示価格,路線価等,都道府県基準地標準価格,固定資産税評価額といった価格がある。このうち,固定資産税の算出の基準となる固定資産税評価額は,市町村長が3年に一度,田・畑・宅地などの地目別に固定資産評価基準に基づき決定する( 地法388 ①, 403 )。

令和3年度の評価替えによる宅地の評価は,原則として,令和2年1月1日時点の地価公示価格等の7割を目途に算定される。ただし,令和2年1月1日から7月1日までに地価が下落したと認められる場合には,同年7月1日時点の都道府県地価調査の基準地価等を基に下落修正を行う(固定資産評価基準12節(経過措置)一,二)。こうして決定された評価額を基に,商業地等・住宅用地などの用途別に負担水準に応じた課税標準額が算定され,令和3年1月1日を賦課期日として固定資産の持ち主に固定資産税が課されることとなる( 地法359 )。なお,据置年度である令和4年度分と同5年度分について地価の下落が認められる場合には,各市町村の判断で,総務省が告示する修正基準により評価額の下落修正を行うこととされている(地法附則17の2)。

また,令和3年度改正では,新型コロナの影響等を踏まえ,令和3年度に限って,評価額が上昇した場合には令和2年度の課税標準額と同額に据え置く措置がとられる。このほか,評価額が上昇した場合に,課税標準額を徐々に是正することで,税負担の激変を緩和する負担調整措置についても,令和3年度から同5年度までの3年間継続される(地法附則18等)。