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[全文公開] グループ通算制度と5年縛り

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令和4年4月1日以後開始事業年度から導入される「グループ通算制度」では,一旦適用を取りやめてから5年間,再適用に係る承認が受けられないことになっている(新法法64の9①三等,いわゆる5年縛り)。

グループ通算制度を再適用する法人のみでなく,連結法人から単体法人に戻った法人についても5年間はグループ通算制度を適用できないことになる。

グループ通算制度に係る経過措置では,連結法人から単体法人に戻った法人で,最後の連結事業年度の終了日の翌日から5年を経過していないものは,“グループ通算制度を取りやめてから5年を経過していない法人”と みなす ことになっている(令和2年改正法附則29③)。

例えば,令和4年3月期まで連結納税制度を適用していた法人が,令和5年3月期に単体法人に戻ったものの,社会情勢の変化により,令和6年3月期からグループ通算制度の適用を検討していたとする。この場合,同単体法人は,グループ通算制度の適用を取りやめてから5年を経過していない法人とみなされるため,令和6年3月期からのグループ通算制度の適用に係る承認は受けられないことになる。

なお,連結納税制度からグループ通算制度に移行する場合,原則,令和4年4月1日以後最初に開始する事業年度の開始日に承認があったものとみなされ,同日からその効力が生じる。一方で,連結親法人が同開始日の前日までに税務署長にグループ通算制度へ移行しない旨の届出書を提出すれば,グループ通算制度を適用しない法人(単体法人)になることができる(令和2年改正法附則29①②)。