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[全文公開] 被災時の予定納税の減額申請手続

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前年分の納税額が一定額以上の場合に,本年分の納税額の一部を前払いする「予定納税」。被災等の影響により予定納税額の減額手続が期限内にできなかった場合には,所定の期限延長申請書を所轄税務署に提出することで,減額を受けることができる。

予定納税の義務がある事業者等は原則,第1期と第2期において,予定納税通知書に記載された納税額の3分の1ずつを納付する必要がある( 所法104 )。第1期分は7月1日から同31日まで,第2期分は11月1日から同30日まで。

ただ,業況不振等で本年分の所得が前年分よりも明らかに少なくなると見込まれる場合等には,下記の期限内に所轄税務署へ申請書を提出することで予定納税額の減額が可能となる(第1期分及び第2期分は7月1日から同15日,第2期分のみは11月1日から同15日まで)( 所法111 等)。

この点,被災により期限内の提出が困難であれば,災害がやんだ日から2か月以内に「災害による申告,納付等の期限延長申請書」と併せて,減額申請書を提出することで予定納税額の軽減免除を受けられる。期限延長及び減額の申請手続は,窓口での書面提出,郵送,e-Taxのいずれかとなる。

例えば,被災等の影響で減額申請ができず,第1期分の提出期限である7月15日を徒過してしまった場合には,書類提出ができる状況になった時点で,期限延長申請書及び減額申請書を提出すればいい。減額申請書内の“申告納税見積額等の計算書欄”には減額申請する上で,現況における適用年分の申告納税見積額等を記載する必要がある。被災が原因で減額を受けるならば事業年度中の時点において決算を組んだ決算書など,見積額の計算の基礎となった添付書類の提出を忘れないようにしたい。