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[全文公開] 今週のFAQ(3/12/27)<課税売上割合がゼロの仕入税額控除>

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法人の設立1期目など,商品の課税仕入れだけで売上が生じず当期の課税売上割合が0の場合には,課税売上割合は95%未満であるものとして,個別対応方式により仕入税額控除の適用を受けられることが示されていました( №3609 ・38頁「課税売上割合0/0の仕入税額控除」)。

一方,この場合は課税売上割合が95%未満のケースに該当しないものとして扱われるというように聞いたこともありますが,国税庁等の公式的な見解はあるのでしょうか?

国税庁が令和3年11月26日に更新した「質疑応答事例」において,課税売上割合が0の場合には,課税売上割合は0%(95%未満)として扱われるため,個別対応方式により,課税売上に対応する部分のみが控除対象となることを明らかにしています。

国税庁質疑応答事例【課税売上割合が0の場合の仕入控除税額の計算方法】の概要

【照会要旨】

当社は,当課税期間において店舗改装のため休業しており,売上はありませんが,店舗改装に係る課税仕入れがあるため,還付申告書を提出したいと考えています。この場合,当課税期間の仕入控除税額の計算に当たって,課税売上割合はどのように計算され, 消費税法第30条 第1項又は第2項のいずれの規定が適用されるでしょうか。

【回答要旨】

課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等に係る消費税額(以下「仕入控除税額」といいます。)は,課税期間中の課税売上高が5億円以下,かつ,課税売上割合が95%以上の場合( 消法30 ①)は,その全額が控除対象となりますが,課税期間中の課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満の場合( 消法30 ②)は,課税売上に対応する部分のみが控除対象となります(個別対応方式又は一括比例配分方式)。

照会のように,課税期間中の売上(資産の譲渡等)がなく,課税売上割合の計算上の分母及び分子がともに0となる場合,課税売上割合は0%(95%未満)として取り扱われます。

したがって,当課税期間中の課税仕入れに係る仕入控除税額の計算は, 消費税法第30条 第2項の規定が適用され,個別対応方式又は一括比例配分方式により行うことになります。

(Y)