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[全文公開] 簡易な方法による期限延長と利子税

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2月16日からスタートした令和3年分の所得税の確定申告等では,4月15日までの間に限り,簡易な方法による申告期限等の延長が認められる( №3690 ・12頁)。

簡易な方法による申告期限等の延長は,新型コロナの影響等で期限内申告が困難な場合に,申告書の右上の余白部分に“新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請”などの所定の文言を記載すれば,申告期限等の延長が認められるもの。災害その他やむを得ない理由がある場合を対象とした,いわゆる「個別延長( 通法11通令3 ③)」に基づく対応だ。

この点,「会計監査による申告期限の1か月延長特例( 法法75の2 )」や「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予( 措法70の7 )」等を適用した場合には,その延長期間等に応じた利子税が課せられることになっている( 通法64 等)。

簡易な方法による申告期限等の延長も,納税者の任意(選択)で申告期限等が延長される点では「会計監査による申告期限の1か月延長特例( 法法75の2 )」等と同様だが,新型コロナという“災害その他やむを得ない理由”による個別延長を根拠とするものであること等から,利子税は課せられない。利子税と同様に,延滞税も免除される( 通法63 ②,64③)。

昨年・一昨年の確定申告期では,新型コロナの拡大に伴う緊急事態宣言が発令されていたことから,全国一律で1か月の期限延長が行われた。「国税庁長官の指定による申告期限等の一律延長( 通法11通令3 ②)」を根拠とするものだが,利子税については,今回も同様の取扱いとなるわけだ。