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[全文公開] 今週のFAQ(4/2/28)<中古資産の耐用年数を巡る事件のその後の状況>

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№3654 ・6頁の『東京地裁 中古資産の耐用年数を巡る事件で国勝訴』について,敗訴した納税者から東京高裁に控訴されていましたが,その後の状況を教えてください。

東京高裁が昨年11月24日に,控訴を棄却しました(令和3年(行コ)第111号)。現在,納税者から最高裁に上告及び上告受理の申立てが行われています。

この事件は,化粧品等の製造販売を行う納税者が,自社工場で製作した化粧品等を容器に充填するために取得した「中古の充填機」や「中古の包装機」の耐用年数を巡り争われた事件です。納税者は,いわゆる簡便法( 耐令3 ①二)の適用により,充填機の耐用年数は2年,包装機の耐用年数は3年になると主張していました。

しかし,裁判所は,納税者の化粧品等の製造・製品化のための設備全体(各資産)の総体が,総合償却資産として1つの「設備」に該当するとした上で,充填機・包装機の再取得価額は,設備全体(各資産)の再取得価額の2.3%にすぎず, 耐用年数通達1-5-8 の「中古資産が設備の相当部分を占める場合」に該当しないと指摘。法定耐用年数8年で償却限度額を計算すべきとしました。

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