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[全文公開] 固定資産税の負担調整措置と審査申出

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令和4年度改正では、商業地等に係る固定資産税等の課税標準額の上昇幅を半減する緩和措置が講じられた。一定の土地については審査申出期間の特例も設けられている。

土地に係る固定資産税等は3年に一度評価替えが行われる。直近では令和3年度が評価替えの年(基準年度)であり、令和2年1月1日の地価を基に令和3~5年度の評価額が算定された。評価額が上昇した場合には段階的に税額を引き上げる負担調整措置が講じられているところ、新型コロナの影響を踏まえ、令和3年度に限り、住宅用地や商業地等、農地等すべての土地を対象に、地価が上昇した場合の税額を令和2年度と同額に据え置く特別な措置が講じられた(地法附則18①等)。

令和4年度改正では、景気回復に万全を期すため、令和4年度限定の措置として、商業地等の固定資産税等の課税標準額の引上げ幅が新評価額の2.5%(改正前:5%)に緩和された(地法附則18①、25①、 №3692 )。負担水準(前年度課税標準額等÷当該年度の評価額)が60%未満の商業地等が対象だ。

また、固定資産課税台帳に登録された評価額に不服がある場合は、原則として基準年度(今回は令和3年度)に限り、固定資産評価審査委員会に対し審査の申出ができるとされ、基準年度以外(令和4・5年度)においては基準年度の評価額が据え置かれる( 地法432 ①)。

ただ、令和3年度分の税額を前年度に据え置く特別措置が適用された土地については、評価替えで土地の評価額自体が上昇等していたことに気づかず、その評価額が令和4年度以後も据え置かれることに不服があるケースを想定し、審査の申出期間の特例が設けられた。令和4年4月1日から、令和3年度の納税通知書の交付を受けた日後15か月を経過する日までの間に審査の申出ができる(地法附則24の2)。