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[全文公開] 新入社員に支給するPCの事業供用日

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コロナ禍の新たな働き方として定着しつつある在宅勤務やリモートワーク。新入社員に対しても入社日前にパソコンを支給(貸与)してリモートにより入社日前後の業務連絡等をするケースがあるだろう。この場合、パソコンを事業の用に供した日は、入社日ではなく、新入社員の自宅にパソコンが到着した日としても問題ないという。

減価償却資産は、建物や機械装置等の一定の資産のうち、事業の用に供したものをいう( 法法2 二十三、 法令13 )。ここでいう事業の用に供したか否かは、国税庁のタックスアンサーによれば、「業種・業態・その資産の構成及び使用の状況を総合的に勘案して判断する」と示されている。

新入社員へ支給するパソコンの購入が業務目的であることを踏まえると、事業の用に供した日は、業務開始日が属する月を起点と考えるのが通常だろう。ただ、社内の働き方が在宅勤務等に移行していることから、入社日前にパソコンを支給してリモートで調整を行うような場合、事業の用に供した日については、当該パソコンの使用状況等を総合的に勘案した上で判断しても良いとのことだ。

例えば、企業が4月1日入社の新入社員に対して3月1日にパソコンを支給した(自宅に到着した)場合でも、当該パソコンを通じて、入社後のスケジュールや新人研修の連絡、研修に臨む上での事前課題のやりとりなどを行っていれば、その実態を踏まえて事業の用に供していると判断することができる。この場合は3月1日が事業の用に供した日となるという。