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[全文公開] 輸出免税と郵便物の輸出証明書類

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令和3年度改正で、商品を郵便物(商品価格が20万円以下の場合に限る、以下同じ)として輸出する際に係る消費税の輸出免税の要件が厳格化された。令和3年10月1日以後は、その輸出を証する書類の保存が必要とされている。

郵便物として商品を輸出する際に輸出免税を適用する場合、改正前は、輸出の年月日等が記載された「帳簿」、“又は”郵便物の受取人から交付を受けた物品受領書等(輸出した事業者の氏名等が記載された「書類」)の保存が必要とされていた。帳簿か書類いずれかの保存でよかったため、帳簿に虚偽の記載をして不正に輸出免税を適用する事例が散見された( №3631 )。

そこで、改正により、郵便物の輸出に輸出免税を適用するには、一定の書類の保存が必要となった。郵便物の種類に応じて保存する書類が定められている( 消規5 ①二)。

小包郵便物又はEMS郵便物の場合は、「日本郵便(株)から交付を受けた当該郵便物の引受けを証する書類」に加え、「当該郵便物に貼り付けた書類の写し(輸出した事業者の氏名等が記載されたもの)」の保存が必要で、具体的には「ご依頼主控」、「国際小包受取書」、「EMS受取書」が該当する。

通常郵便物では、「日本郵便(株)から交付を受けた当該郵便物の引受けを証する書類(商品の品名等を追記したもの)」の保存が必要で、具体的には「ご依頼主様(控)」が該当する。通常郵便物における「書状」、「印刷物」、「小形包装物」、「盲人用郵便物」については、別途、日本郵便(株)の書留・保険付のオプションサービスを利用しない場合は「ご依頼主様(控)」を受領できないため、輸出免税の適用を受けることはできないとされている(財務省「令和3年度税制改正の解説」)。